ふるさと納税の新たな制度が始まって1年。制度から外されたことをめぐる大阪府泉佐野市の訴訟は続いているが、「返礼品は寄付額の3割以下の地場産品」などの基準を設けた認定制度により、自治体間の過度な返礼品競争は沈静化している。新型コロナウイルス対策や災害支援など助け合う手だてとしての活用も進んでいる。
 大阪府は「新型コロナウイルス助け合い基金」を創設。ふるさと納税などの寄付金を活用して医療従事者に1人10万~20万円分のクオカードを給付し、感染者を受け入れるホテルの従業員にもカードを配って支援している。基金への寄付金は23億円を超えた。
 神奈川県はウイルスを迅速に検出する技術開発や、関係機関と連携した実証研究などに寄付金を充当。北海道も医療従事者や医療用資機材の支援に充てる考えだ。
 被災地支援にふるさと納税を利用する動きも浸透。昨年9月の台風15号の際は、千葉県館山市が衣料通販サイトを運営するZOZO(ゾゾ)の創業者から20億円の寄付を受け話題となった。担当者は「財源が厳しい中、行政サービスに活用でき大変助かる」と話す。
 一方で汚職事件も発生。高知県奈半利町の担当者が返礼品業者に便宜を図った見返りに現金を受け取ったとして受託収賄罪などで起訴された。事件では新制度の「3割基準」に合うよう返礼品の調達費を安く見せかける虚偽申請も判明。総務省は調査を進め、指定取り消しも辞さない考えだ。
 新制度導入1年に関し、高市早苗総務相は記者会見で「地方自治体が創意工夫を図りながら制度の趣旨に沿った運用をしている。健全な発展に向けて取り組んでいきたい」と語った。 (C)時事通信社