政府は新型コロナウイルスの感染者が東京都で増加傾向に転じたことを受け、都による「東京アラート」の効果を含め今後の状況を注視する方針だ。緊急事態宣言の再発令は当面必要ないとの立場だが、感染拡大が一定の水準に達すれば、専門家会議の提言に沿って「感染拡大注意都道府県」に指定することも検討している。
 西村康稔経済再生担当相は3日の衆院内閣委員会で、東京の感染者について「半数は感染経路が分かり、10万人当たりの感染者数もそれなりに低い」と指摘。当面は都の取り組みを支援しながら推移を注意深く見守る考えを示した。
 今回の東京の感染拡大について、政府は現時点で抑え込み可能とみながらも、「本格的な第2波が来るとすれば東京」(首相官邸関係者)と警戒。宣言を再発令する前段階で適用できる対応策の調整に着手した。
 政府の専門家会議は5月中旬にまとめた見解で、全国の自治体の区分として、緊急事態宣言下にある「特定警戒都道府県」「特定都道府県」に加え、(1)宣言発令が迫る感染拡大注意都道府県(2)それら以外の「感染観察都道府県」―を新たに設けるよう提言。感染拡大注意都道府県では宣言の発令回避に向けて対策を一段階強化する案を示した。
 東京の10万人当たりの感染者数は2日までの1週間で0.82人。政府は東京に限らずこれが2.5人に達すれば、専門家の提言を実行に移して感染拡大注意都道府県に指定し、外出自粛や休業の要請を厳格化する選択肢を検討している。
 一方、宣言の再発令は直近1週間の10万人当たりの感染者数が5人に近づいた時点で、感染経路不明者の割合や重症患者数の推移なども勘案して総合的に判断することを想定している。 (C)時事通信社