【ニューヨーク時事】米国で人種差別や警察の暴力に抗議するデモが広がる中、新型コロナウイルスが再び拡大する事態が懸念されている。各地で数百人~数千人規模が密集する集会や行進が行われているためだ。停止している経済活動の一部再開を8日に控えるニューヨーク市も連日デモが続き、クオモ・ニューヨーク州知事は「コロナをさらに拡散させかねない」と警戒を強める。
 ニューヨーク市のコロナ感染者は計20万人以上、死者は疑い例を含め2万人を超えた。外出規制や企業・店舗の休業を経て、新規入院患者や死者数は減少傾向にあり、焦点は感染抑制から経済活動再開に移っている。
 こうした中、ニューヨーク市の抗議デモは5月28日に始まり、毎日複数の場所でそれぞれ数百人~数千人が参加。デモに参加する若者らのほとんどはマスクを着用しているが、州が推奨する約1.8メートルの距離を確保できていない。クオモ氏は、感染して帰宅し家族などにうつす可能性を警告する。
 ニューヨークのデモに参加した黒人女性(23)は「(コロナで)仕事も失い、ずっと家にいたけど、私たちは人種差別主義と闘っている。パンデミック(世界的流行)に関係なく重要な問題だ」と語る。セラピストの白人女性(30)は「怖いけど、(外出規制下でも行ける)公園かビーチに行くぐらいだったらここ(デモ)に来る」と話した。
 デモには沿道から声援や拍手を送る市民も目立つ。休憩中にデモを見ていた看護師のブリトニー・バルさん(31)は「デモを全面的に支持しているし、休みだったら私も参加していた」と語った。また、「(コロナで)デモをするのが難しい時だけど、(デモ参加者は)マスク着用などできる最善のことをしている」と理解を示した。
 ただ、デモによる感染拡大への影響が表面化するまでは時間がかかる可能性がある。クオモ氏は「数週間は分からないかもしれない」と話した。 (C)時事通信社