神奈川県内の海水浴場全25カ所が、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため今夏開設されないこととなった。横浜市が5日、「海の公園」(金沢区)での海水浴場開設を取りやめると発表。他の市町も既に断念していた。海水浴場が開かれないと監視員も不在となるため、安全管理の問題が浮上している。
 県内の海水浴場は、江の島や富士山を望める湘南海岸などが有名。東京からも近く、年間300万人以上が訪れる。海水浴場は地元自治体などが開設を決め、海の家が設置される。
 県は5月27日、海水浴場設置に関する感染防止対策の指針を策定。海の家を完全予約制としたため、利用者減少で採算が取れなくなる恐れが出ていた。ソーシャルディスタンス(他者との距離)確保のため、砂浜に一定間隔の目印を設ける作業の煩雑さも障害となり、県内各市町は開設断念に至った。
 海の家がなくても海には入れるが、溺れた人の救助に当たる監視員がいないため、安全上問題がある。そのため県は地元市町と安全確保策の検討を始めた。
 黒岩祐治知事は「海の家で『密』を作らないよう(指針が)厳しめとなった」と説明。「開設できないのはやむを得ないが、来年にはにぎわいを取り戻したい」と話している。 (C)時事通信社