新型コロナウイルスの感染拡大が続くインドで、14歳の少女が学校のオンライン授業を受けられないことを悲観し、焼身自殺した。少女は貧困家庭に育ち、スマートフォンなど授業を視聴できる機器を持っていなかった。インドで国民の約6割を占めるとされる貧困層が新型コロナに伴い直面させられている現実が改めて浮き彫りとなった。
 少女は南部ケララ州マラップラムに住んでいたデビカ・バラクリシュナンさん。新型コロナの感染拡大を防ぐための全土封鎖で学校が閉鎖される中、オンラインで新学年の授業が始まった今月1日、自ら灯油をかぶって火を付け、命を絶った。
 民放NDTVは、バラクリシュナンさんについて、憲法で廃止されたはずの旧身分制度カーストで差別され、特に貧困に陥る恐れが高い階層の出身だったと伝えた。報道各社の取材に応じた日雇い労働者の父親は「新たに子供が生まれたばかりで、スマホを買い与える余裕はなかった。友達の家で映像を見せてもらってはどうかと娘には言っていた」と言葉少なに打ち明けた。
 バラクリシュナンさんの自殺を受け、学生団体が抗議のデモを行った。主催者はロイター通信に対し「貧しい生徒を追い詰めている」と政府を批判した。
 ラビーンドラナト州教育相は「各家庭の状況を調査し、視聴環境がない場合は近くの学校を紹介した。授業映像は後で見返すこともできた」と釈明している。しかし、バラクリシュナンさんには、こうした情報は伝わっていなかったようだ。
 同じように教育から取り残されている子供は多い。NDTVによれば、州内だけで約25万人の子供がオンライン授業を視聴できない。 (C)時事通信社