緊急事態宣言の解除で、ようやく再開された学校生活。ただ、ネット上では「楽しくない」「友達ができない」などと、子供が失望や悩みを漏らす書き込みが少なくない。新型コロナウイルスの感染対策に伴う変化が影響しているとみられ、専門家は「学校を行きづらい場にしてはいけない」と懸念する。
 東京都内の私立中高一貫校。通学路に立つ職員は「くっつかない」「話をしない」と書いたプラカードを掲げて注意を促し、生徒は無言のまま学校に向かう。にぎやかな登校風景は一変した。
 ネット掲示板やSNSで目立つのは「会話禁止で給食がおいしくない」「休み時間に遊べず面白くない」といった感染対策への不満。行事の中止などで関係を深める機会がなく「友達ができない」という新入生の悩みや、「先生が見張っていて怖い」とギスギスした雰囲気を嘆く投稿もある。
 対策に万全を期す学校側も思いは複雑だ。江戸川区立大杉小学校では、分散登校で1クラスの人数を4分の1にし、席と席の間隔を空けた。学用品の貸し借り禁止や「登下校時は固まらない」などの決まりも作り、給食は教師が配る弁当を、向かい合わずに食べる。
 学校に行きたくないと訴える児童も複数おり、校門まで親と来ながら登校を渋る子もいたという。藤島寿晴校長は「学校はトラブルも含め人間関係を学ぶ場なのに、密な関係をつくることができない。将来への影響が心配だ」と話す。
 「寛大さと工夫が必要だ」と話すのは、不登校児支援などに取り組むNPO法人「東京シューレ」の奥地圭子代表。「教師も負担の増加に加え、子供を守る責任感でピリピリしている」と理解を示しつつも、「大変なときこそ学校嫌いにしてはいけない。何より学校は子供が楽しく過ごす場であるべきだ」と指摘する。
 その上で、「子供ができなくてもある程度は仕方ないと割り切る姿勢と、遊びの要素を交えるような工夫が大切」と提言。親に対しても「今は大人も子供もいっぱいいっぱいだ。無理に学校に行かせず、子供の気持ちを優先して不安にゆっくり耳を傾けてほしい」と呼び掛けた。 (C)時事通信社