新型コロナウイルス「第2波」が収束しつつある北海道。だがここにきて、昼間にカラオケを楽しめる札幌市の喫茶店2店舗でクラスター(感染者集団)の発生が確認され、市は警戒を強めている。高齢者の憩いの場が「盲点」となった形で、市はマスク着用やマイクの消毒など感染防止対策の徹底を呼び掛けている。
 喫茶店や、昼営業もしているスナックでカラオケを楽しめるのが「昼カラオケ」。通常午前11時~午後4時の間、歌い放題・ソフトドリンク飲み放題のサービスが1000円前後で受けられる。
 5月1日~6月14日に札幌市で感染が判明した230人(院内感染などを除く)のうち、約21%に当たる49人が昼カラオケの客や従業員で、60歳以上が45人に上った。感染者と関連する店舗は18あり、うち2店舗でクラスター発生が確認された。
 札幌市内で昼カラオケを提供する喫茶店経営の男性(52)は、「昼カラオケを生きがいにしている高齢者は少なくない」と話す。独り暮らしのストレス解消のため来店する人などにとって、憩いの場になっているという。ただ「3密」環境になりがちで、マイクの使い回しも多い。男性は「(感染防止のため)店側から『来てほしい』とも言えず、難しい」と語る。
 全国に先駆けて2月末に独自の緊急事態宣言が発せられるなど、北海道内の「自粛」期間は約3カ月に及んだ。札幌市保健所は「長引いた外出自粛で、市民が娯楽を求めていた可能性もある」とみている。
 道の休業要請対象に、喫茶店は含まれていなかった。市保健所の三觜雄所長は11日の記者会見で、「カラオケで感染が拡大する可能性は把握していたが、昼間に喫茶店でカラオケをすることは考えられていなかった。呼び掛けが足りなかったかもしれない」と述べた。
 北海道医療大の塚本容子教授は「夜の娯楽やカラオケボックスは休業要請の対象となったが、喫茶店などでの昼カラオケは盲点だった」と指摘。カラオケ自体は悪くないとした上で、「感染の可能性がある行動をしないよう、具体的な呼び掛けが必要だ」と注意を促した。 (C)時事通信社