【ロンドン時事】ジョンソン英首相は16日、貧困家庭の児童に提供している無料の学校給食を夏休み中も継続すると明らかにした。英政府はこれまで継続に否定的な見解を示してきたが、一人のサッカー選手の訴えが政府を動かした。
 日本では芸能人やスポーツ選手の政治的発言の是非が議論になっているが、英国では「選手が政治家に仕事のやり方を示した」(ガーディアン紙)とたたえられている。
 訴えたのは名門マンチェスター・ユナイテッドのFWで、イングランド代表でもあるマーカス・ラッシュフォード選手(22)。自らが貧困家庭で育ち、無料給食の恩恵を受けた経験を踏まえ、夏休み中の継続を求めて全下院議員宛ての公開書簡を15日に公表した。
 この呼び掛けに与野党の一部議員が賛同。メディアでも大きく取り上げられ、政府は方針転換を迫られた。ジョンソン首相は16日の記者会見で、ラッシュフォード選手と直接電話で話して「キャンペーンの成功をお祝いした」と説明。ラッシュフォード選手も自らのツイッターに「何と言ってよいか分からない。一丸になれば成し遂げられることがある」と投稿した。
 英国では新型コロナウイルスの影響で学校は一斉休校中だが、給食の家庭への配達などを行っている。 (C)時事通信社