新型コロナウイルスの感染対策で求められていた「都道府県をまたいだ移動の自粛」が解除されて初の週末となった20日、各地の観光地では久々の遠出を楽しむ人々の笑顔が見られた。「やっと人出が戻った」「対策を徹底しさらに盛り上げる」。受け入れる地元も期待を寄せる。
 避暑地として有名な長野県軽井沢町には首都圏などから多くの人が訪れ、にぎわいが戻った。人気のアウトレットモールは一部の駐車場が満車になるほどで、県外ナンバーがずらり。観光スポットの旧軽井沢銀座通りも家族連れで混み合った。
 雰囲気が好きで、年3回ほど訪れるという愛知県の会社員男性(35)は「やはり旅行はいい」と満足げにアイスを頬張った。東京から来た自営業の男性(39)は「県外から訪れ批判される不安の一方で、うれしさもある」と笑みをこぼした。
 群馬県渋川市の伊香保温泉もかなりの人出。シンボルの石段街を散策していた相模原市の30代男性は「家族で1泊した。解禁は歓迎」と久々の旅行に笑顔を見せた。妻も「ずっと子供と家にいたストレスが温泉で癒やされた」と顔をほころばせた。
 県内旅行を促進する県のキャンペーンもあって近場の客が中心だったが、観光協会などによると、6~7月の週末は満室の旅館もあるほど予約は好調という。協会の男性職員は「夏に向け一層盛り上がってほしいが、感染の不安もある。対策を徹底してお迎えするしかない」と話した。
 東京・浅草も都内外から訪れた人で混雑し、観光人力車「えびす屋浅草」の梶原浩介さん(38)は「やっと人出が戻ってきた」と笑顔。車両は先週の4台から7台に増やした。ただ、日本人より多いほどだった外国人観光客の姿はまばら。「当面インバウンドは期待できない。ぜひ地方から遊びに来て」と期待した。
 茨城県日立市から1泊旅行に来た菊池未夢さん(18)は「自粛解除で堂々と来られる。マスクや消毒で自衛はしつつ、思い切り楽しみたい」。埼玉県春日部市から友達2人と訪れた女性(72)は趣味の旅行をやっと解禁。「まだ不安もあるので、近場から少しずつ出掛けたい」と語った。 (C)時事通信社