内閣府は、新型コロナウイルスを念頭に、感染症対策を取り入れた避難所運営の訓練を自治体に呼び掛けている。新型コロナが広がっている中で災害が起きれば避難所の感染防止策を徹底する必要があり、住民の受け入れやスペース割り当てなどにスタッフが追われる。このため内閣府は、自治体向けに訓練ガイドラインを作成。役割分担や手順、課題、必要なスタッフ数の確認を促している。
 新型コロナを踏まえた避難所の開設、運営訓練は5月以降、各地で行われている。2016年の熊本地震で被災した熊本県益城町では5月24日、感染症がまん延する中での大雨を想定した訓練を行い、町職員約50人が参加。個人防護服の着用練習や体調不良者への対応訓練などをした。
 同町担当者によると訓練では、保健師ら医療従事者の不足が課題となった。これを受け町は、感染症に対応する避難所の設置を今年度中は1カ所に絞ることを決定。住民には親戚や知人宅などへの分散避難を呼び掛けている。
 内閣府はこうした取り組みを参考にガイドラインを策定。避難所入り口での受付時間の目安や、必要なスタッフ数の検討を要望した。発熱者や濃厚接触者が避難してきた場合を想定し、専用スペースへの誘導や保健所への移送のシミュレーションを求めている。
 感染を恐れ、避難所で車中泊する住民も増えると見込まれるため、ガイドラインでは、スペースを十分確保した駐車位置を設け、物資や食料の配布方法も考えておくよう促した。
 このほか内閣府は、避難所にマスクや消毒液などを備蓄するための経費を今年度2次補正予算に計上。被災地に職員を派遣し、自治体の要請がなくても物資を送る「プッシュ型支援」に役立てる考えだ。 (C)時事通信社