衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は24日、ノーベル医学生理学賞受賞者で京都大の山中伸弥、本庶佑両教授の研究を支援するため、10年間で総額100億円を寄付すると発表した。
 山中氏は再生医療に用いる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作る施設を2021年から建設。現在は備蓄する他人のiPS細胞を使っているが、拒絶反応を防ぐため患者自身に由来するiPS細胞を100万円程度で提供する技術について25年3月ごろの実用化を目指す。
 柳井氏からの寄付50億円のうち45億円をこれらの事業に充て、5億円はiPS細胞を用いた新型コロナウイルスの病態解明やワクチン開発に用いる。
 また、がん免疫療法を開発した本庶氏の研究と若手研究者の育成を支援するため、京大に「柳井基金」を設置し、50億円の寄付全額を充当する。山口県宇部市で育った本庶氏が同市出身の柳井氏に支援を求め、同氏が応じたという。
 3氏は京大で記者会見し、柳井氏は「生物や医学はまだまだ分かっていないことの方が多い。われわれは、世の中、日本を良くしたい思いは変わらない」と語った。
 本庶氏は「使途が定められていないことが民間基金の有利な点だ」と強調。山中氏は「こういう寄付は研究組織を運営していく上でありがたい」と話した。 (C)時事通信社