政府の全世代型社会保障検討会議が25日にまとめた中間報告で、焦点の医療制度改革は結論を年末に持ち越した。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃し、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担の在り方などに関する議論は停滞。医療を取り巻く環境は激変しており、今後の審議の行方にも不透明感が漂う。
 同会議は昨年末に取りまとめた中間報告で、後期高齢者の窓口負担を現行の1割から一部2割に引き上げる方針を明記。今夏に最終報告として、具体的な対象者の範囲について結論を得る予定だった。
 しかし、新型コロナの感染拡大で状況は一変。関係者が対応に追われ、同会議も3カ月にわたり開催できない期間が続いた。政府は今年の臨時国会にも医療制度見直しの法案を提出する考えだったが、最終報告も年末に先送りとなり、来年の通常国会以降にずれ込む。
 2022年には団塊の世代が75歳になり始め、医療費の急増が見込まれる。政府はその前の制度改正を目指すものの、新型コロナを受け医療提供体制の整備などが優先され、医療費抑制の議論は盛り上がりを欠く。
 経済環境も悪化する状況下、政府内では「国民生活が厳しいのに窓口負担を引き上げるのかという議論が出るかもしれない」と今後の曲折を予想する声も上がっている。 (C)時事通信社