東京都内の新型コロナウイルス新規感染者が9日、過去最多の224人となった。30代以下が8割以上を占めるが、専門家は「若者中心だから大丈夫という考えは危険だ」と、高齢者らへの感染拡大を懸念する。
 東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(予防医学)は、都内の感染者が初めて200人を超えた4月中旬の状況を、「PCR検査の態勢が追い付いておらず、陽性率は約3割に上った。判明する感染者は氷山の一角で、市中に多くの感染者がいた可能性が高い」と指摘。現在は感染リスクが高い「夜の街」関連の従業員らを集中検査しており、「同じ200人超えでも意味が全く違う」と話す。
 それでも、「国内外のデータを分析した結果、陽性率が4%を超えると死亡率も上昇した。今回の陽性率は6.5%で、黄信号とみるべきだ」と訴え、「若い人は重症化しないとされるが、そこから高齢者に感染が拡大したら、死者数が増え始めるのは1カ月後となる」と警鐘を鳴らす。
 東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染症学)も、接待を伴う飲食店の従業員らを広く検査した結果、感染者が掘り起こされた面があると分析。「感染の全体像を把握するには、どの繁華街で何人を検査したか、症状のない人が何人いたかなどの情報を公表する必要がある」と述べた。
 その上で、「感染者が増加すると、通常の会食や家庭でうつる機会も増え、高齢者や持病のある人に飛び火する恐れが出てくる。イベントの開催制限が10日に緩和されることも、拡大リスクを高める」と懸念。東京での感染増が続くと、地方にも影響が及ぶと指摘した。 (C)時事通信社