【サンパウロ時事】南米アルゼンチン南端に位置するティエラデルフエゴ州の保健当局は13日、沖合で操業していた漁船「エチゼン丸」内で新型コロナウイルスの集団感染があったと発表した。乗組員は全員、出航前検査で陰性が確認されていた上に、船は1カ月余り洋上で孤絶。感染源は謎で、関係者は首をひねっている。
 当局によると、エチゼン丸は出漁前に検査に加えて乗組員を2週間ホテルで隔離し、万全の態勢で州の拠点都市ウシュアイア港を出発。外洋で操業していたが、船内に新型コロナ感染症が疑われる病人が発生したため11日に帰港した。出航後に陸地との接触は一切なかったにもかかわらず、検査ではこれまでに乗組員61人中57人が陽性反応を示したという。2人が病院に運ばれ、残りは船内で待機を命じられている。
 州保健当局者は「(船は)35日間、洋上にあり、陸上の人とは接触していなかった。乗組員がどのように感染したのかはっきりさせるのは非常に難しい」と指摘。地元メディアは「ウシュアイアのミステリー」と大きく報じている。
 所有会社によると、エチゼン丸は日本で建造され、2015年に日本水産がアルゼンチン子会社を売却した際に現地企業に渡った。現地日本大使館によれば、アルゼンチン船籍で、乗組員に日本人はいないという。 (C)時事通信社