【ワシントン時事】トランプ米大統領は13日、政権の新型コロナウイルス対策を助言するファウチ国立アレルギー感染症研究所長について「いつも同意できるわけでない」と記者団に語った。感染が拡大する中、秋の大統領選に向けて経済再開を急ぐトランプ氏と、ブレーキをかけるファウチ氏との亀裂が深刻になっている。両者は2カ月以上、言葉を交わしていないという。
 トランプ氏は9日のインタビューで「彼はいい男だが、多くの間違いを犯した」と述べ、新型コロナの発生当初、ファウチ氏がマスク着用を「不要」と述べていたことなどを批判した。さらにワシントン・ポスト紙によると、ウイルスの脅威を過小評価するなどファウチ氏が取ってきた対応の「誤り」を列挙した文書が週末、ホワイトハウスから主要メディアに送られた。
 最近の感染者の急増を受けて、ファウチ氏が「経済再開は早過ぎた」と政権の誤りをはばからず指摘するようになったことがトランプ氏の怒りを買っている。この数カ月、主要テレビ局への出演はホワイトハウスに制限され、ファウチ氏は最近、一部メディアに「私は真実を取り繕わない。最近テレビに出なくなったのはそれが理由かもしれない」と語った。
 トランプ氏はファウチ氏の権限縮小を試みたことはあったが、更迭など決定的な対立は避けてきた。世論調査では3分の2の国民が新型コロナに関するファウチ氏の発言を信頼すると答えており、秋の大統領選で経済活動や学校の再開を訴えたいトランプ氏にとってますます煙たい存在になりそうだ。 (C)時事通信社