【ニューヨーク時事】米国で新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、各州で経済再開に向けた規制緩和を後戻りさせる動きが加速している。感染が深刻な地域では、不可欠な場合を除いて外出や経済活動を停止する「自宅待機令」の再導入を求める声も高まってきた。一方、経済の再開に積極的な共和党の知事と再規制を求める民主党の市長との党派対立があらわになり、地元の事業者らは戸惑っているようだ。
 米国では6月に入り、経済活動の再開を積極的に進めた南部や西部の州を中心に感染者が急増。米メディアによると、経済活動の再開を凍結した州は12州、再び規制強化に乗り出した州は9州に上っている。
 南部のテキサス州は感染者が急増を続ける州の一つで、大都市ヒューストンを含むハリス郡は州最大の感染者を出している。集中治療室(ICU)の収容能力を超えて患者を受け入れている病院もあると伝えられ、医療現場も逼迫(ひっぱく)している。
 ヒューストンのターナー市長(民主)は13日、「最低2週間の(経済活動の)停止が必要だ」とツイート。市長らは自宅待機令で感染を抑制するようアボット知事(共和)に訴えているが、経済再開を前のめりに進めてきたアボット氏は慎重姿勢を崩していない。
 一方、南部ジョージア州アトランタでは、ボトムズ市長(民主)自身も感染し、市が独自に規制の強化に踏み切った。ボトムズ氏は10日、経済活動の再開を第2段階から第1段階に後退させ、不可欠な場合を除く外出や事業の営業を再び規制した。
 これに対し、全米の中でも早い4月下旬に経済を再開させた同州のケンプ知事(共和)は、「市長の行動は単なるガイダンス。拘束力も法的な強制力もない」と主張している。地元メディアによると、アトランタでは市に従って閉店する飲食店もあれば、州の方針に沿って屋内営業を続ける飲食店もあるなど、事業者により対応が割れている。 (C)時事通信社