新型コロナウイルス感染者の急増で、急きょ東京発着の旅行を対象外とする見通しになった観光支援策「Go To トラベル」キャンペーン。朝令暮改に振り回された観光業者や都民らは16日、除外には納得する一方、「東京だけでいいの?」「焦らず延期を」と戸惑いの声を上げた。
 県外からの観光客が戻りつつある沖縄県。那覇市の国際通りにある土産物店の女性店員(24)は「接客は不安。東京を除外しても、大阪も患者は増えている。迎える側は『県外』としてしか見ない」と首をかしげる。タクシー運転手の赤嶺政栄さん(72)は「来てくれるのはありがたいが、米軍基地の感染問題もあるし、怖さは倍増」と表情を曇らせ、「みんな検査してから来てくれれば心から歓迎できるのに」と訴えた。
 感染者ゼロの岩手県で名物のわんこそばを提供する「東家」(盛岡市)の馬場暁彦社長は、政府の対応に「別の県からと偽るなど抜け道もありそうだ。性善説に基づいている」と困惑。「今の状態では掛けた予算に見合う効果が得られない。焦らず延期して検討すべきでは」と注文を付けた。
 JR東京駅の通勤客らの反応もさまざま。東京都東大和市の女性会社員(34)は「感染者も多く、仕方ない」。8月にキャンペーンで登山に行く予定は取りやめたという。西東京市の男性(59)も「地方は怖いだろうし、自分も帰省をやめた。旅行は他地域の人で対策しつつやってほしい」と納得した様子で話した。
 千葉市の50代女性は「ずっと楽しみにしていたので、(除外が)東京だけでよかった」。横浜市から通勤する女性(31)は「東京以外も感染が増えており、首都圏をまとめた方がいい」と不安げに話した。 (C)時事通信社