沖縄県などで米軍関係者の新型コロナウイルスの感染者が相次いでいる。日本には5万人余りの米兵士がおり、その家族を合わせると約10万人が駐留する。米軍は、沖縄の感染者数の公表を例外的に容認したが、他の在日米軍基地の状況は市民にはうかがい知れず、ブラックボックス化している。
 政府は新型コロナ対策で米国人の入国を拒否しているが、米軍人は日米地位協定9条の「合衆国軍隊の構成員は、旅券及び査証に関する日本国の法令の適用から除外される」の規定に基づき、入国を認めている。その家族も別の日米の取り決めにより入国が可能だ。
 米国防総省は3月30日に安全保障上、米軍の運用に影響を与える恐れがあるとして、各基地の感染者数を対外的に公表しない指針を示した。防衛省によると、在日米軍基地の場合、感染者が出れば、米軍から同省や地元保健所に情報提供されるが、米軍の同意がなければ公表できない。
 青森県では今月、米政府チャーター機で三沢基地に到着した米軍関係者から陽性反応が確認されたが、人数などの詳細は公表されていない。神奈川県の厚木基地でも感染者が出たが詳細不明だ。
 米軍関係者のクラスター(感染者集団)が発生した沖縄県では、玉城デニー知事が11日、在沖米軍トップのクラーディ四軍調整官と電話会談。同調整官から「県が公表することは妨げない」との回答を得て、感染者数の公表に至った。
 米軍基地を抱える都道府県で構成する渉外知事会は、国に対して、「在日米軍基地での新型コロナ感染症の発生状況や米側の措置について、積極的に公表されるよう米側に働き掛けてほしい」などと要望している。
 河野太郎防衛相は記者会見で、在日米軍の感染者総数も含め「米軍の即応性を維持する観点から(感染者数の)公表を差し控えている。沖縄県のような例外的な場合を除いて、公表するつもりはない」としている。 (C)時事通信社