新型コロナウイルス対策のIT技術活用では、厚生労働省と共同で全国の病院稼働状況をリアルタイムで一覧する仕組みを作った。無料通話アプリLINEを使ったアンケートでは、ビッグデータで地域や業種ごとの発熱傾向が分析され、政府の対策に活用された。
 接触確認アプリ「COCOA」も提供を開始した。政府の新型コロナ対策テックチーム事務局長としてアプリの仕様を議論し、1メートル以内に15分以上いた人が陽性になれば通知が来る仕組みとした。営業再開やイベント開催、災害時のボランティア受け入れでアプリを活用すればリスクを軽減できる。
 1日に何人と接触したか確認できる機能も加えたい。「きのうは20人だったが、きょうは時差出勤で5人に減った」などと分かれば、行動変容の助けになる。実現に向け米アップル、グーグルと交渉中だ。
 一方、特別定額給付金のオンライン申請などは政府も自治体も準備不足だった。国、都道府県、市町村で対応が異なり、目詰まりが生じた。日本のIT化の遅れはテクノロジーよりも構造の問題だ。
 歴史をさかのぼると、はやり病に苦しむと大仏を造り、元号を代え、都を移した。これに倣い、政府機能をデジタル空間に移す「デジタル遷都」を提唱している。首都直下型地震や新たな感染症流行が起きても政府機能を保てる。ポストコロナは「密から疎へ」がトレンドになる。どこでも政府の手続きができるようになれば東京に来る必要もなくなり、地方創生も加速する。
 現実に都を移すくらいの覚悟がないと実現しない。自治体ごとの業務のやり方や個人情報保護等の規則を統一し、自治体や各省庁も独自サーバーからクラウドへ移行を進めないといけない。
 政権の主要課題に位置付け、法整備し、予算も付け、強力な執行体制を作り、国民理解も得る必要がある。政治のリーダーシップが問われる。自民党総裁選や国政選挙でメインテーマになり得るだろう。
 平 将明氏(たいら・まさあき)早大法卒。衆院東京4区選出。05年衆院選で初当選、当選5回。4月に発足した政府テックチーム事務局長。53歳。 (C)時事通信社