新型コロナウイルスの影響で、本来なら夏休みとなっていた時期に実施される学校給食。食中毒や調理員の熱中症が懸念される中、栄養士らは「どうしたら暑い中で安心な給食が出せるか」と献立に工夫を重ねている。
 文部科学省によると、全国の自治体の9割以上が本来は夏休みだった期間に給食を実施。同省は衛生管理の徹底と熱中症の予防策を講じるよう都道府県の教育委員会などに通知した。
 国内最高気温を記録し「暑さ対策日本一」を掲げる埼玉県熊谷市は6月、栄養士らによる対策会議を開いた。野菜のサラダは火を通すソテーに変更し、果物は手間のかかるフルーツポンチを避けるなど献立を検討した。
 調理員の熱中症対策として、鍋の前に置けるタイプの冷風機を各校の給食室に2台配備。首を冷やすスカーフも配布し、小まめに水分補給するよう促しているという。
 大規模な学校では、時間との闘いも切実だ。1日約1400食を児童生徒らに提供している東京都江戸川区立葛西小・中学校。同校の給食を担当する栄養士米山弥生さん(43)は「時間ギリギリを計算している」という。
 食材は傷むのを避けるため、調理前はできるだけ冷蔵庫で保存。手洗いや手袋の着脱が必要となる調理工程の多いメニューをやめ、食事までの時間が短くなるようにした。その上で栄養バランスに気を配りつつ、配膳が簡単になるよう品数も減らしているという。
 7月29日の給食は揚げパンとワンタンスープと牛乳など。中学2年の正木つかささん(13)は「品数は気にならないし、変わらずおいしい。ありがたいです」と笑顔を見せた。 (C)時事通信社