新型コロナウイルス対策の10万円給付ではマイナンバーカードの存在が注目された。簡潔に対策を打つことに期待が高まったが、普段から使っていないことから問題が浮き彫りになった。利便性を上げるために普及を徹底させなければいけない。
 パスワードを忘れたり、住所移転でカードが失効したりするのは、日ごろ使っていないからだ。「平時の便利、有事の安心」がコンセプト。今後のデジタル社会の基盤になる。「使って便利」の要素を増やさないといけない。
 マイナンバーは税や社会保障の事務など法律で決められたものにしか使えない。安全性の高いシステムだ。非常に重要な情報だという意識が浸透したため、カードを金庫にしまう人がいると話に聞く。誰もが持っている個人IDと思ってもらえるように使い道を増やしていく。
 マイナンバーが口座とひも付けられると口座情報が筒抜けになると言われるが、そうはならない。ナンバーと口座が連携するだけで、残高や出入金状況は分からない。その点を政府がきちんと説明しなければいけない。
 コロナの第2波、第3波と緊急事態が発生する可能性がある。給付迅速化の観点に絞った議員立法をまとめた。緊急時に給付を受けたい口座を任意で一つ指定すれば短時間で給付できる。ひも付けを望まない人は通常の給付を行う。できるだけ早く成立させたい。
 先進7カ国でひも付けをしていないのは日本だけだ。大災害で通帳やはんこがなくなった場合、個人情報をどう復活させるか。マイナンバーカードを1枚持っていれば、口座情報が復活し、本人確認や安否確認を含めてスムーズに進む。ひも付けをどんな規模で行うかは今後の検討課題だ。
 新藤 義孝氏(しんどう・よしたか)明大文卒。埼玉県川口市役所勤務などを経て96年衆院選で初当選。当選7回(衆院埼玉2区)、経済産業副大臣や総務相を歴任した。62歳。 (C)時事通信社