【ワシントン時事】トランプ米大統領が再選を目指す11月3日の大統領選まで3カ月。早過ぎた経済再開が招いた新型コロナウイルスの再拡大は、与党共和党の地盤である米南部を直撃した。トランプ氏は戦略の修正を迫られ、民主党のバイデン前副大統領を相手に苦しい展開に追い込まれている。
 ◇弱気見せる
 「誰も私のことを好きではない。ひとえに私の性格だろう」。トランプ氏は先週の記者会見で、自身の支持率がコロナ対策を政府に助言するファウチ国立アレルギー感染症研究所長の信頼度より低いと嘆き、珍しく弱気をのぞかせた。
 4月以降、旗を振ってきた経済再開路線は、6月の感染再拡大とともに頓挫。コロナは民主党が強いニューヨークなどで下火になる一方、フロリダやテキサスなど、再選のために落とせない南部各州で猛威を振るっている。
 選挙情勢分析に定評がある「クック・ポリティカル・リポート」は7月下旬、フロリダの情勢を「五分」から「バイデン氏やや有利」に変更。バイデン氏の選挙人の獲得予想数は過半数に当たる270を上回る308に達した。
 フロリダでの共和党大会開催は中止に追い込まれ、支持者の「熱狂」度でバイデン氏と差別化を図る思惑も外れた。過激な反人種差別デモが続く地方都市に連邦治安要員を派遣し、「法と秩序」の回復を訴えるが、反転の手掛かりはつかめていない。
 ◇活動限定、失言に懸念
 バイデン氏は7月、「より良き再建を」をスローガンに製造業復活への巨額投資を発表し、トランプ氏のお株を奪った。40年間民主党が勝利していないテキサス州でテレビ広告を打つなど南部に戦線を拡大し、攻勢に出る。
 ただ、ネットやテレビ出演が多く、記者会見などで厳しい追及を受けない「温室」での活動が続く。9月下旬以降3回の討論会が予定され、失言癖で知られるバイデン氏がトランプ氏と互角の勝負を展開できるか不安視する向きもある。
 前回大統領選の予想を的中させたことで知られるニューヨーク州立大の政治学者ヘルムート・ノーポス教授は「大統領選史上、春までのリードが秋に灰と化した例は枚挙にいとまがない」と指摘。「多くの人はバイデン氏が選挙の試練に耐えられるリーダーかをよく見ている」と語り、予断は禁物だと強調した。 (C)時事通信社