【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの流行の収束が見通せない中、先進国が自国向けワクチンの確保を急いでいる。米英両国が先行し、日本も取り組みを強めている。一方で、資金力に勝る先進国がワクチンを囲い込むことで、途上国への供給に支障が出かねないとの指摘も聞かれる。
 米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は5日、米政府から10億ドル(約1050億円)超を受け取り、同社が開発中のワクチン1億回分を米国で供給すると発表した。
 開発に成功したワクチンがまだ現れない中、米政府は仏サノフィなど複数の製薬大手と供給契約を締結。少なくとも7億回分のワクチンを確保した。米厚生省は「米国が来年までに、少なくとも一つの安全で有効なワクチンを確保できる可能性が高まっている」と強調した。
 英国も7月下旬時点で2億5000万回分を確保し、人口1人当たりで比較すると、米国を上回っている。欧州連合(EU)やカナダ、イスラエルなどもこうした動きに追随している。
 日本も7月、1億2000万回分(6000万人分)の供給を受けることで、米ファイザーと基本合意した。また、政府関係者によると、英アストラゼネカとの間で、1億回分以上の供給を受ける方向で近く合意する見通し。J&Jとも協議を進めているとされる。
 一方、経済力のある先進国がこぞって自国分を囲い込むことで、途上国向けの供給が不足することへの懸念も根強い。途上国での予防接種を推進する国際組織「GAVIワクチンアライアンス」のバークレー最高経営責任者(CEO)は、「利己的な国々が自国民のワクチン確保だけを考えていては、パンデミック(世界的流行)は制御できない」と警告。国際的な枠組みを活用したワクチンの配分を呼び掛けている。 (C)時事通信社