国立感染症研究所(感染研)は7日までに、新型コロナウイルスのゲノム分析を基に、3~4月の感染拡大がいったん収束に向かった後も、軽症や無症状の人の間で気付かれないまま感染が続いていた可能性があるとする報告をまとめた。経済活動再開を機に、6月からの患者急増につながったとみられるという。
 感染研は7月16日までに、国内患者ら約3700人の検体からウイルスを採取し、ゲノム配列を解析。ウイルスは感染を通して少しずつ変異するため、それぞれの変異の仕方から、国内で感染がどう伝わったかを推定した。
 分析では、「欧州系統」のウイルスが全国各地に入り3月以降の流行を引き起こした後、対策により5月下旬にいったん収束に向かった。だが、6月中旬、3月の欧州系統ウイルスから3カ月分変異したとみられるウイルスが東京で見つかり、このウイルスから派生したとみられるウイルスも全国で確認された。
 約3700人分の検体からは、変異の途中段階のウイルスが見つかっていない。このため報告は、軽症や無症状の若者などの感染が水面下で続いていた可能性を指摘。経済活動再開後、「地方出張などが要因になって、東京では収まらず全国に拡散した可能性がある」と分析した。 (C)時事通信社