【パリ時事】新型コロナウイルスの感染が再び拡大している欧州で、政府のマスク着用義務化に反発する動きが広がっている。賛同者の多くは「ウイルスを防ぐ効果はない」と主張し、ドイツや英国でデモを実施。フランスでもデモ開催が呼び掛けられており、当局は警戒を強めている。
 マスク反対派の多くは、マスクを着用するかどうかは個人の自由だと主張。「暑い」「息ができない」などの理由も挙げる。
 ベルリンでは今月1日、約1万7000人がマスクを着けずに、「われわれの自由が侵害されている」などと書かれたプラカードを掲げて行進。参加した男性はロイター通信に、「私たちを奴隷にするマスクは消え去るべきだ」と訴えた。
 独連立政権の一翼を担う社会民主党のエスケン共同党首はツイッターで、「彼らは私たちの健康だけでなく、パンデミック(世界的流行)対策の成功までも危険にさらしている」と懸念を表明した。
 パリでも同様のデモがインターネット交流サイト(SNS)を通じて呼び掛けられている。仏メディアによれば、「マスクがウイルスから守ってくれるという考えは、水着を着て水に入れば体がぬれないという考えと同じだ」と主張する人の動画がSNS上で拡散された。
 政府に対する不信感もマスク反対の大きな理由の一つだ。マクロン仏政権は感染拡大当初、「マスクは感染防止に意味がない」と述べ、品不足に対する国民の不満をかわしていた。しかし、その後は、公共交通機関や屋内の店舗でのマスク着用を義務化。パリ市をはじめ、人が多く集まる場所では屋外でも義務化する自治体が増えている。
 マスク反対派の弁護士は今月、仏メディアに「政府の言うことは一貫しておらず、信用できない」と吐き捨てるように語った。 (C)時事通信社