【サンパウロ時事】世界保健機関(WHO)の米州事務局、汎米保健機構(PAHO)のエティエンヌ事務局長は18日、南北米大陸やカリブ海地域で薬物・アルコール依存や家庭内暴力(DV)が深刻化していると警鐘を鳴らした。新型コロナウイルスによるストレス増大が原因という。
 PAHOによると、米州の人口は世界全体の13%にすぎないが、累計感染者は約1150万人で世界の半分以上、死者は約40万人に達している。エティエンヌ氏は、感染の恐怖や将来への不安、隔離生活がもたらす孤独感が「米州にかつてない規模のメンタルヘルス危機を引き起こした」と強調。その上で「調査によると、多くの人が薬物やアルコールに頼っており、それがメンタルヘルス問題を深刻化させる悪循環を生んでいる」と指摘した。
 また、新型コロナの世界的流行初期の段階で、女性らからのDV被害相談件数がアルゼンチンでは3割以上、コロンビアでは2倍に増加。エティエンヌ氏は「外出自粛と新型コロナによる社会・経済的影響が相まって、DVのリスクは高まっている。多くの人にとって、家はもはや安全な場所ではない」と述べ、各国政府にメンタルヘルス対策やDV対策に注力するよう強く訴えた。 (C)時事通信社