理化学研究所は24日、スーパーコンピューター「富岳」(神戸市)を使った計算で、エアコン使用中の教室では、教室の対角線上にある窓などを開ける「対角開け」で十分な換気効果が得られるとする試算を発表した。熱中症対策と新型コロナウイルス対策の換気との兼ね合いに苦心する教育現場で参考になりそうだ。
 理研計算科学研究センターの坪倉誠チームリーダー(神戸大教授)らは、計算速度で世界一になった富岳で、学校の教室やオフィス、音楽ホールなどの空気の流れを計算。ウイルスを含む恐れがあるエアロゾル(浮遊する微粒子)の動きを調べた。
 シミュレーションでは、40人の生徒がいる教室(8メートル四方、天井高3メートル)を想定。エアコンを稼働した上で、(1)窓を全開にする(2)教室前方の扉を少し開け、対角線上にある後方の窓一つも開ける(対角開け)(3)窓と扉を少しずつ開ける(4)窓と扉を全開にする―の4パターンを計算した。
 開口部の面積は(2)の対角開けが最も小さく、(1)と(4)の8分の1、(3)の4分の1だが、それでも8分余りで教室内空気の入れ替えが完了。オフィスビルなどで法律が定める換気条件を満たすことも分かった。
 坪倉さんは「対角開けで、部屋を冷やしつつ外気もある程度取り入れられる。休憩時間に窓を全開にすれば、さらにリスクを下げられる」と話した。 (C)時事通信社