【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)欧州委員会のホーガン委員(通商担当)が出身国アイルランドでの夕食会出席をめぐり、新型コロナウイルスの規制措置に違反したと批判を浴びている。アイルランドの首相らは辞任を要求。フォンデアライエン欧州委員長が対応を検討する事態となっている。
 通商担当は貿易摩擦を抱える米国との交渉を担う重要ポスト。交代なら影響は大きく、フォンデアライエン氏は難しい判断を迫られている。
 ホーガン氏は19日、アイルランド議会のゴルフの社交クラブ主催で80人以上が出席したホテルでの夕食会に参加。しかし、アイルランド政府は大規模な室内集会を制限していた上、前日にはさらなる規制強化を発表したばかりで、国内で参加者への批判が殺到。出席した同国農業相や上院の副議長が辞任するなどスキャンダルに発展している。
 ホーガン氏は「主催者とホテルが(規制を)順守していると認識していた」などと釈明したが、マーティン首相とバラッカー副首相は進退検討を要求した。
 これを受けホーガン氏は23日に謝罪を表明してフォンデアライエン氏に状況を報告。25日にも詳細を再報告した上で、アイルランド滞在中に自身は規制を「順守していた」と改めて主張した。
 ただ、ホーガン氏は先月末にベルギーから渡航後、検査で陰性だったことを理由に14日間の自主隔離期間中の移動も繰り返していた。欧州メディアによると、マーティン首相らは「違反は明らかだ」と切り捨て、情報開示の遅れも非難した。 (C)時事通信社