「痛恨の極み」「断腸の思いだ」。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、再び突然の辞意を表明した安倍晋三首相。臨時の記者会見で経済や外交での実績を強調しつつ、時折目を潤ませ、任期中に悲願の憲法改正や拉致問題の解決を成し遂げられなかった悔しさをにじませた。
 安倍首相は冒頭、新型コロナウイルスへの対策を説明した後、自らの健康状態に言及。持病の潰瘍性大腸炎が再発し、国民の負託に応えられる状態ではなくなったとして、「悩みに悩んだが、このタイミングしかないと判断した」と辞意を表明した。
 布マスクの全戸配布などが不評を買った新型コロナ対策については「知見がない中で最善を尽くしてきた」と述べ、他の先進国に比べて死者・重症者の数や経済への影響を低く抑えていると強調。国会での所信表明直後だった前回と違い、辞意表明の時期については慎重に判断したとする一方、自身の健康管理については「十分にできなかった反省もある」と認めた。
 森友・加計学園問題や「桜を見る会」をめぐる問題など、政権運営へのおごりを批判されたことについては、「政権を私物化したつもりはない。国家国民のために全力を尽くしてきた」と強く反論した。
 時折唇をかんだり、声がかすれたりする場面も。約1時間に及ぶ会見が終わると、「どうもありがとうございました」と一礼し、首相官邸の会見室を後にした。 (C)時事通信社