原爆が投下された1945年当時の日本人の人体モデルと最新の放射線解析手法を用い、広島・長崎の被爆者体内の臓器ごとの被ばく線量(臓器線量)を精密に再評価することに成功したと、日本原子力研究開発機構と放射線影響研究所、米フロリダ大などの研究チームが3日、発表した。
 新手法による臓器線量は、従来手法とおおむね一致したが、骨髄など一部臓器で約15%の差があった。成果は、被爆者の健康影響に関する疫学調査や、国際的な放射線防護基準などの精度向上に役立つという。
 原子力機構の佐藤達彦研究主幹らの研究チームは、従来の単純な人体モデルを、年齢別、男女別、妊婦などの体つきを再現し、当時の日本人の平均的な体形を反映した精巧なモデルに切り替えた。さらに、体内での中性子やガンマ線の挙動について最新の解析プログラムでシミュレーションを行い、臓器線量を算出した。
 その結果、従来の手法と比べ、骨髄の臓器線量は約15%減少した一方、結腸では約15%、膵臓(すいぞう)で10%近く増加した。 (C)時事通信社