東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法をめぐり、政府は9日、宮城、茨城、千葉各県の知事らから意見聴取した。知事らは原発事故で地元の水産業などが風評被害を受けたとして、処理水の海洋放出に懸念を示した。
 テレビ会議で参加した茨城県の大井川和彦知事は、政府の小委員会が「現実的な選択肢」とした海や大気中への放出について「既定路線とせず、地域社会に影響が出ない方法はないのか」と再考を要求。一例として無人島での処分を挙げた。
 トリチウムの安全性に関し、積極的な情報発信を求める声も相次いだ。宮城県の遠藤信哉副知事は「市民に不信感や不安感を持たれている」と述べ、東電の情報公開が分かりづらいと指摘。大井川知事は「国民や諸外国の理解が十分とは言えない」と話した。
 千葉県の滝川伸輔副知事は「事故後の悪夢のような(風評被害の)状況に戻るのでは、という不安の声が上がっている」と述べ、水産業の関係者に直接聞き取りをするよう訴えた。 (C)時事通信社