ジャパンライフをめぐる事件で逮捕された山口隆祥元会長(78)は、商売の手法をめぐり約50年前から「マルチ」「悪徳商法」などとたびたび批判を浴び、国会に参考人招致されたこともあった。一方で、多数の国会議員に献金し、政官界などに幅広い人脈を持っていた。
 国会議事録などによると、山口元会長は1971年、健康関連商品の販売を手掛ける「ジェッカーチェーン」を設立。悪質なマルチ商法との批判が高まり、75年に国会で取り上げられ、参考人招致された。議員から「悪徳商法では」との指摘が出されたが、元会長は「マルチではない。徹底的にやる」と話した。
 翌76年の国会では、通産省(当時)が「典型的な悪いマルチ」との見方を示した。同社は、同年に事実上倒産。前年の75年、山口元会長はジャパンライフを設立していたが、85年の国会では同社についても「マルチまがい」などと問題視された。
 一方、翌86年の国会では、同社と密接な関係がある政治団体「健康産業政治連盟」が、中曽根康弘首相(同)や山口敏夫衆院議員(同)らの関連団体に献金していたことも明らかになった。
 また、同社の事業報告に、山口元会長が安倍晋三前首相の父・晋太郎外相(同)らとニューヨークを訪問したと書かれているとの指摘もあった。同外相は「山口代議士がたくさんの人と、私が国連に行っていたときに紹介というか表敬に連れてきて、その中に山口隆祥氏がいたのは事実」と答弁した。
 2000年以降も国会議員への献金などは続き、14年には下村博文・自民党政調会長が代表を務める「自民党東京都第11選挙区支部」に同社が10万円を寄付。同社の顧客勧誘資料に、下村氏とは別の自民党幹部との懇親会を山口元会長が主催したと記載されていたほか、顧問には内閣府の元官僚らが就いていた。 (C)時事通信社