1日から東京都発着の旅行が対象に加わった政府の観光振興策「Go To トラベル」。東京から行く人、東京に来る人、予約は好調で観光業者の期待は膨らむが、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念も根強い。
 コロナの影響で大打撃を受けた「はとバス」(大田区)。都内の名所を回るバスツアーは、7月開始のキャンペーンから東京が除外されたこともあり、8月も前年同月比96%減だった。ただ、「Go To」対象ツアーの予約が開始された9月18日にはホームページが一時ダウンするほどアクセスが殺到し、予約客が100人を超えた日も出るなど回復の兆しは見えている。広報担当者は「東京が旅行の選択肢になることを期待している。秋の行楽シーズンに向けツアーを増やしたい」と意気込んだ。
 「かなりの勢いで予約が入っている」と声を弾ませるのは、京都・八坂神社に隣接する「柚子屋旅館」(京都市東山区)の伊藤寛治マネジャー(58)。外国人観光客の激減などで一時「ほぼゼロ」だった予約は、キャンペーン開始後も回復は鈍かったが、10月以降の週末はほぼ満室。その半分は東京からの客という。料亭旅館「ぎおん畑中」(同区)でも東京からの問い合わせが急増。紅葉の時期を控え、予約が1日10組を超えた日もある。従業員の湊悠佳さん(36)は「割引適用をきっかけに利用が増えていけば。感染対策に万全を期したい」と話した。
 10月からは観光施設やお土産購入に使える地域共通クーポンの配布も始まる。山梨県山梨市の土産物店「さんさんマルシェ」の女性販売員は「9月の連休も県外からかなり多くの人が来た。クーポンが始まればもっと来てくれるのでは」と期待。東京からの客を見込み、ワインなどの仕入れ増を検討中という。
 一方、同県北東部の道の駅の営業責任者は「店にできることは限られる。不安の方が大きい」と感染リスクを懸念。「大勢の客が来ると安全安心が確保できないので、クーポン利用施設の登録も見送った」と苦々しげに話した。 (C)時事通信社