環境省は、多くの住民と関わりを持つ病院や介護施設、学校、企業、農協などを巻き込み、地域ぐるみで熱中症対策に当たる自治体を支援する。2021年度に全国5カ所程度を選定し、モデル事業を開始。自治体が協議会を立ち上げて、各組織の取り組みを盛り込んだ計画を作成する経費などを手当てする。同省は新規事業として約1億円を予算要求した。
 計画には、高齢者への冷房使用の呼び掛けや、国から「熱中症警戒アラート」が発表されたときに周知する手順などが盛り込まれる見通し。すでに各地では、自治体と企業が連携して、熱中症リスクを音声で知らせるガス警報器を高齢者宅に設置したり、飲料の宅配事業者が住民の体調を確認したりといった事例がある。環境省はこれらも参考にするようモデル自治体に呼び掛けるほか、熱中症対策に協力する企業を紹介して計画づくりを支援する。
 同省によると、このほかの対策として、学校に熱中症の危険度を示す計測器を整備することや、商業施設に涼める休憩場所を整備して、そのリストを配布することなども考えられるという。計画に盛り込まれた対策は、早ければ21年夏に試行が始まり、22年度以降に本格実施となる予定だ。
 近年、熱中症による救急搬送者数と死者数はいずれも増加傾向にある。死者のうち65歳以上の高齢者は約8割を占め、屋内で冷房を使っていないケースが多いという。熱中症警戒アラートも、小学校教員にまで連絡が届かず、校庭で体育の授業を受けていた児童が搬送される事態も起きている。 (C)時事通信社