政府は15日、東京都内で開いた新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂地域医療機能推進機構理事長)で、来年1月の大学入学共通テストに際し、無症状の濃厚接触者は陰性確認などを条件に受験可能とすることを含む対策を示した。イベント開催制限のさらなる緩和に向け、プロ野球での実証実験を行う方針も提案。いずれも了承された。
 従来のセンター試験に代わり、来年1月に初めて実施される共通テストには、約53万人が志願した。
 政府は、受験生が濃厚接触者に該当した場合の対応を検討。進路への影響を考慮して、検査で陰性▽受験当日も無症状▽公共交通機関を利用せず人混みを避ける▽別室での受験―を満たせば受験を認めることとした。
 試験会場への入場時に検温はしないが、当日37.5度以上の発熱があれば、受験生には後日行われる追試験の受験を求める。会場の座席は1メートル程度の距離を取り、1科目終了ごとに10分程度の換気を徹底する。食事を除き常時マスク着用を義務付ける。
 試験中に発熱やせきなどが出た場合、医師らが健康状態をチェックし、追試や別室での受験で対応する。
 イベント開催制限をめぐっては、神奈川県や横浜市などが参加し、横浜スタジアム(横浜市)で10月30日から3日間、実証実験を実施する。大規模スポーツイベントでは、観客数の上限が収容定員の50%までだが、8割程度まで入れて、感染予防策の状況や、感染者が出た場合の濃厚接触者の追跡が可能かどうかを調べる。
 高精細カメラで観客のマスク着用状況や、入退場時の人の流れなどを分析するほか、感染者と濃厚接触した可能性を伝えるスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」なども活用する。
 尾身会長は分科会後の記者会見で、実証実験について「新たな技術を使うことで、国民に負担を掛けず、経済(活動)と感染症対策の両立ができる」と説明。「万が一感染が広がったときは対応策も取る」と理解を求めた。 (C)時事通信社