【ワシントン時事】米国防総省は、新型コロナウイルス感染者が旅客機に搭乗しても、マスクを着用していれば、機内で他の乗客に感染させる確率は極めて低いとする実験結果を公表した。機内の空調設備でウイルスの大部分が除去されるためで、乗客の激減で苦境に立つ航空業界には朗報となりそうだ。
 実験は8月下旬、米軍輸送部門がワシントン郊外の空港で実施し、今月15日に結果が公表された。ボーイング777と767の客席にマネキンを座らせ、駐機中と飛行中、マスク着用の有無などさまざまな条件下で空気の流れを調べた。
 それによると、機内の空調システムがウイルスを除去する速さは一般家庭の15倍で、病院の手術室の5~6倍。777型のエコノミークラスの場合、乗客が感染していても「隣の席の乗客が危険な状態になるまでに、少なくとも54時間を要する」と結論付けた。
 ワシントン・ポスト紙によると、米軍輸送部門幹部は「実験結果を見る限り、新型コロナなどのウイルスが機中で空気感染するリスクは全体的に低い」と指摘した。ただし、実験では空港ロビーなど機内以外の場所での感染のほか、機中での会話や食事に伴う飛沫(ひまつ)感染のリスクが考慮されていない。
 米ユナイテッド航空の幹部は、実験結果を「画期的だ」と称賛。同紙への声明で「たとえ満席でも、機中で新型コロナに感染する可能性はほとんどない」と強調した。 (C)時事通信社