【パリ時事】新型コロナウイルスの感染拡大が続くスペインで、規制をめぐる中央政府とマドリード自治州政府の対立が深まっている。マドリード自治州を対象にした中央政府の非常事態宣言について、経済への影響を懸念するディアス・アジュソ自治州首相が強権的だと反発。マドリードでは規制反対のデモも起きている。
 スペインの新型コロナの累計感染者数は約90万人で、死者は3万3000人を超えた。マドリード首都圏での感染拡大が特に深刻だ。
 このため中央政府は今月2日、マドリードとその周辺を対象に、地域をまたぐ不要不急の移動を禁止。経済活動に大きな支障が出ると主張する自治州政府の申し立てを受けた自治州高裁は8日、制限を無効とする判決を下した。サンチェス首相も譲らず、翌9日には制限を継続するため、非常事態を宣言した。
 マドリードでは12日、非常事態宣言に反対する市民ら数百人がデモを開催し、「独裁だ」「差別だ」などと書かれた紙を掲げ、規制解除を訴えた。ディアス・アジュソ自治州首相は13日、「私たちの経済を破壊しようとしている」と中央政府を非難。これに対し、中央政府のイジャ保健相は「医療状況に沿って対応しなければならない」と述べ、解除を否定した。
 中央政界では左派の社会労働党が与党だが、ディアス・アジュソ自治州首相は中道右派の野党・国民党の所属。国政での与野党対立が、中央と自治州の確執を深刻化させている側面もある。 (C)時事通信社