【ワシントン時事】大統領選投票まで1週間を切った米国で、新型コロナウイルスの感染者が急増している。民主党候補のバイデン前副大統領は、トランプ政権の無策を厳しく糾弾。再選を目指すトランプ大統領は、新型コロナ対応を追及する動きに反発し「争点外し」を試みている。
 米国内の新型コロナ感染者数は877万人超、死者数は22万人超で、いずれも世界最多。ワシントン・ポスト紙の集計によると、23日と24日には1日当たりの新規感染者数が8万人を超え、2日連続で過去最多を更新した。新規感染の大まかな傾向を示す7日間の平均も、ここに来てピークだった8月の水準に戻っている。
 「偽ニュースは新型コロナの話ばかり。いつになったらやめるんだ」。トランプ氏は27日、遊説先の中西部ウィスコンシン州で演説し、感染拡大の深刻さを伝えるメディアへの不満をぶちまけた。演説の大半はバイデン氏の批判と、保守派の連邦最高裁判事起用、通商や減税での「実績」誇示に割かれた。
 東部ペンシルベニア州を訪れ、今回の選挙戦で初めて単独で集会に参加したメラニア夫人も「流行開始当初、大統領が人々の安全を守るために不人気な決断を下しているのに、野党は(ウクライナ疑惑による弾劾で)大統領を辞めさせようとした」と主張。民主党が感染拡大を政治利用していると批判した。
 一方、バイデン氏は南部ジョージア州を遊説し、新型コロナについて「トンネルの先に光は見えていない。ドナルド・トランプは(対策を)諦めた」と非難。南部フロリダ州で演説したオバマ前大統領は「トランプ氏はメディアで新型コロナばかり取り上げられ嫉妬している」とトランプ氏をやゆした上で「彼が早い段階で対応していれば、新規感染者の記録更新もなかった」と訴えた。 (C)時事通信社