【ベルリン、パリ時事】新型コロナウイルスの第2波に歯止めがかからない欧州諸国が、再び厳戒態勢に入った。仏独は28日、外出制限など、春の第1波時に取ったロックダウン(都市封鎖)に近い強力な措置を決定。イタリアやスペイン、東欧諸国も10月下旬に相次ぎ規制を強化した。ただ、第1波を乗り切ってわずか数カ月で不便な日常に逆戻りすることへの市民の落胆は大きく、一部では抗議行動が過激化し、逮捕者も続出している。
 フランスは30日から12月1日まで、不要不急の外出と地域間の移動を禁止。生活必需品以外の店舗を飲食店を含め閉鎖する。ドイツも11月中は飲食店や文化施設を閉鎖し、公共の場での集まりを2家族10人までに制限する。
 イタリアは26日から飲食店の夜間営業禁止や、映画館などの閉鎖を開始。スペインは25日に非常事態宣言を出し、大半の地域で夜間の外出を禁じた。チェコなど多くの東欧諸国も、類似の措置を導入した。
 欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は28日、欧州全体が「第2波のただ中にいる」と述べ、事態は深刻だとの認識を示した。フランスで1日当たりの死者数が500人を超えるなど、これまで感染者が増えても抑えられていた死者も増えており、マクロン仏大統領は「第2波は第1波より困難で、致死的な可能性がある」と指摘した。
 ただ、イタリアでは今週に入りローマやナポリなど各地で過激な抗議活動が起き、警察との衝突などで連日逮捕者が出ている。ベルリンでは25日に行われたデモで50人が逮捕され、ウィーンでも26日、約1500人がマスクを燃やすなど挑発的な抗議活動を展開した。
 こうした市民の不満を各国政府は深刻に受け止めており、独仏共に学校の閉鎖を避けるなど、市民生活への影響を少しでも軽減しようと努めている。ドイツは休業補償を柱とする100億ユーロ(約1兆2000億円)の追加経済支援も決め、市民の協力獲得に躍起だ。 (C)時事通信社