厚生労働省は30日、オンラインで開催された社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護給付費分科会に、2021年度報酬改定の基礎資料となる介護事業所の経営に関する調査結果を報告した。新型コロナウイルスの影響により収支が悪化。感染予防に取り組む事業者を支援するため、新たな報酬や加算を設けるかが焦点となる。
 厚労省は10月に調査を実施し、全国の3万9199事業所から回答を得た。特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出されていた5月時点と感染拡大前を比べた収支状況を尋ねたところ、約半数の47.5%が「悪くなった」と答えた。経営の厳しさが浮き彫りとなった。
 分科会では、事業所を代表する委員から「コロナや災害への対策を恒常的に行うのであれば、対応が必要だ」と、報酬引き上げを求める声が上がった。一方で、保険料の負担増を懸念する委員からは「コロナの関連経費は、国庫補助なども検討するべきだ」との慎重な意見も出た。
 厚労省はこのほか、コロナの影響が限定的な19年度決算に基づく経営実態調査も分科会に報告。介護保険サービスを提供する全国の施設や事業所のうち1万4376カ所から回答を得た。23種類のサービスのうち「居宅介護支援」以外は黒字を確保したが、平均利益率は17年の前回調査から0.9ポイント低下し、2.4%の黒字にとどまった。職員の処遇改善に伴う人件費の増加が要因とみられる。 (C)時事通信社