がんで亡くなった患者の4割が、死亡する前の1カ月間に痛みを感じていたとの推計を国立がん研究センターがまとめ、31日付で公表した。一部の患者は、苦痛を和らげる緩和ケアを十分に受けられていない可能性があるという。
 センターは2017年に死亡した患者の遺族約2万6000人を対象に、19年1月に調査票を送付し、1万2900人から有効回答を得た。患者が過ごしていた施設の種類や居住都道府県の偏りを調整し、痛みがあった割合などの全国値を推計した。
 推計によると、亡くなる前の1カ月間に痛みがあった割合は40.4%。死亡の1週間前に痛みがあった患者では、「医師はある程度対処してくれたが不十分だった」(21%)、「診察の回数や時間が不十分だった」(9%)が痛みの理由として挙がった。
 医療に満足していた割合は71.1%と高めだった半面、身体の苦痛があった割合は47.2%、気持ちのつらさがあったケースも42.3%に上った。患者と医師の間で、終末期をどこで過ごすかの話し合いをしていた割合は36.5%と低かった。
 心疾患患者の遺族5003人、脳血管疾患患者の遺族1043人なども調査し、痛みがあった割合はそれぞれ25.3%、22%だった。
 センターの加藤雅志・がん医療支援部長は、痛みのある患者は現状より減らせると指摘し、「より一層の対策が必要だ」と話した。
 がんセンターは18年にも、小規模な遺族調査の結果を公表。今回は規模を拡大し全国値を推計した。 (C)時事通信社