【パリ、ベルリン時事】欧州で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し、各国は外出制限や飲食店閉鎖などの対策に追われている。第2波襲来を警告する声はあったものの、感染拡大を食い止めることはできなかった。第1波を乗り切った後の経済活動再開で感染者が増えた状況を深刻に受け止めないまま、屋内で過ごす時間が増える季節に入ったことが背景にあると指摘されている。
 欧州各国は最初に感染が拡大した3月、相次いでロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。その後、感染者数は減少に転じ、各国が夏のバカンス期をにらみ経済活動を再開。実際、夏には多くの観光客が国境を越えて往来した。
 それに伴い、8月ごろから感染者数は再び増え始める。しかし当初は「検査件数の増加に伴い、統計上の感染者が増えただけ」という見方もあった。感染者の大半は症状が出にくい60歳未満で、1日当たりの死者数も第1波時を大きく下回る水準が続いたことが、油断に拍車を掛けた。
 ドイツの感染症対策を担う政府機関、ロベルト・コッホ研究所によると、同国の感染者の半分程度を老人ホームなどの施設入所者や職員が占めていた第1波時と異なり、現在の最大の感染経路はパーティーなどの私的な集まり。若者の感染が増えるにつれ、高齢者の感染も増加しつつある。監視の目が行き届かない中で、対策が十分講じられず、感染が広がっている状況が浮かび上がる。
 こうした「気の緩み」が抜けないまま、欧州は秋を迎えた。フランス政府に助言を行う科学評議会は6月、南半球に位置し冬季に入ったブラジルの感染者数が急増したことを踏まえ、「北半球でも冬にかけて再び感染が広がる可能性が極めて高い」と警告していた。
 同評議会メンバーで感染症専門家のアルノー・フォンタネ氏は10月、仏テレビに対し「ウイルスは空気中に滞留する。気温が下がり閉め切った屋内で過ごす時間が増えると感染リスクも高まる」と指摘した。
 マクロン仏大統領は外出制限の再導入を発表した10月28日、「クリスマスと年末を家族で祝う希望を持っている」と強調した。しかし、学校は継続するなど春に比べて緩やかな制限に、仏メディアは「不十分だ」と批判的な見方を示している。 (C)時事通信社