健康保険組合連合会(健保連)は5日、大企業の従業員らが加入する健保組合の今後の財政見通しを公表した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業業績の悪化を受けた賃金減で、保険料収入が大幅に減少。収支差を全て保険料引き上げで賄う場合の「実質保険料率」は2021年度に10%を超え、財政悪化が加速している。
 医療費は「団塊の世代」が後期高齢者になり始める22年度以降、急増が見込まれているが、より早く健保財政が逼迫(ひっぱく)する恐れがある。健保連は政府・与党に対し、新型コロナで影響を受けた組合への緊急支援や、75歳以上の医療費窓口負担の2割への引き上げを求める。
 財政見通しによると、21年度は6700億円の赤字となり、感染拡大前の見通しより2400億円悪化。実質保険料率は10.2%となった。国の補助を受ける「協会けんぽ」の平均保険料率10%を上回ると、健保組合を自主運営する必要性が薄れ、解散して協会けんぽに移行する可能性が高まる。
 22年度は9400億円の赤字で、実質保険料率は10.5%とさらに厳しい。健保連は「健保組合解散の検討も始めざるを得ない危機的な状況だ」と訴えた。 (C)時事通信社