【ワシントン時事】米大統領選でバイデン前副大統領が勝利を固めつつある中でも、新型コロナウイルスの感染拡大は続き、次期政権が直面する最大の難題となっている。バイデン氏は、トランプ政権の経済優先の方針から感染防止を重視する方向にかじを切る見通しだが、規制再発動は景気回復に冷や水を浴びせるリスクを伴う。
 米国の新型コロナ感染者数は8日、累計で1000万人を超えた。死者数は23万人超で、いずれも世界最多だ。11月に入って、1日当たりの新規感染者が連日のように過去最多を更新するなど、感染ペースが加速している。
 バイデン氏は選挙戦で、経済優先のトランプ大統領を「ウイルスに白旗を揚げた」と批判し、選挙集会も支持者が車で会場に乗り付ける「ドライブイン」方式を採用。「当選すれば公共の場所でのマスク着用義務付けを全知事に求める」「就任後、直ちに対策法案作成を議会に要請する」と訴えてきた。
 10月末に公表された米国の7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、4~6月期に落ち込んだ反動で過去最大の上げ幅を記録。一時14%を超えた失業率も6.9%にまで下がり、コロナ禍以前の水準には戻っていないものの、トランプ氏が唱える「V字回復」の兆しは見えていた。バイデン氏としては、ウイルス封じ込めを進めた結果、企業活動や移動の制限強化で景気回復の腰を折る事態も避けたいのが本音だ。
 ワクチンに関しては、次期政権発足前の今年末までに使用認可が下りる可能性がある。軍なども動員しワクチン配布に努める現政権の方針は、バイデン氏も引き継ぐとみられる。 (C)時事通信社