【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスのワクチンの早期実用化へ期待が一段と高まっている。米バイオ医薬品企業モデルナは16日、開発中のワクチンの臨床試験(治験)で94.5%の有効性がみられたとの暫定結果を発表した。同社製ワクチンは保管や輸送のたやすさが特徴で、遠隔地でも普及させやすいとみられる。
 同社によると、開発中のワクチンは2~8度の標準的な医療用冷蔵庫で1カ月間、マイナス20度なら6カ月間保管できるという。同社は「世界中のほとんどの医薬品流通に関わる企業が保管、出荷をすることができる」と強調した。
 モデルナは、米当局が許可すれば年内に2000万回、2021年に5億~10億回分を製造できるとする。米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長はメディアに対し、「ワクチンはトンネルの先にある光だ」と、期待感をあらわにした。
 米製薬大手ファイザーと独ビオンテックも今月上旬、共同開発するワクチンの治験で、9割超の有効性を確認したとの暫定結果を発表した。ただ米メディアによると、マイナス70度での冷凍保存が必要。通常の冷蔵保管では、5日間しかもたず、輸送などに課題があった。
 モデルナやファイザーは近く、米当局へワクチンの緊急使用許可を申請する方針。ただ、ワクチンの効果や安全性に関するデータは完全には出そろっておらず、外部の専門家による評価などはこれからだ。いずれも深刻な副作用は確認されていないが、実際の普及に向けたハードルはなおも残っている。 (C)時事通信社