【ワシントン時事】米国の医師会、看護師協会、病院協会は17日、トランプ大統領宛てに連名の公開書簡を出し、大統領選で勝利を確実にしたバイデン前副大統領のチームと、新型コロナウイルスに関する情報共有を進めるよう要望した。米国内の感染者が急増する中、トランプ氏が大統領選の敗北を認めず政権移行手続き着手を拒否しているため、対策に切れ目が生じることに強い危機感を示した。
 3団体は共有が必要な情報として、治療薬や人工呼吸器の供給状況、収容可能な病床数などに関する最新データを列挙。さらに、医療関連物資の備蓄状況や治療薬・ワクチンの配布計画に関する情報についても「戦略的な計画策定の継続性を確保するためにも、できるだけ早期に共有する必要がある」と強調した。
 これに関連して、バイデン氏の政権移行チーム幹部は17日、ロイター通信などとの電話会見で、同チームの専門家が新型コロナ対応で「公開データを見ることはできるが、来年1月20日(の次期政権発足)に備えて必要な幅広い情報にアクセスできない」と説明。「(現政権の)当局者と協議し協力する必要がある」と訴えた。
 製薬大手などが開発を進めるワクチンについて、トランプ政権は年内にも米当局の緊急使用許可を受け、来年4月ごろまでに国民へ広く普及させる計画。同1月の次期政権発足が円滑に進まなければ、計画に遅れが生じかねない。バイデン氏は16日の記者会見で「(現政権と次期政権が)連携しなければ、さらに多くの死者が出かねない」と警告している。
 米国内の新型コロナ感染者数は1100万人超、死者数は25万人に迫っている。9月上旬に3万人前後だった1日当たりの新規感染者数は10月ごろから急増し、このところ15万人前後の高水準で推移。死者数も増加傾向が続いている。 (C)時事通信社