厚生労働省は19日、患者が紹介状なしで病院を受診する際の定額負担について、初診の場合、現在より2000円以上増やして7000円以上とする案を社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会に示した。大病院への患者集中を防ぐ狙いで、対象病院も拡大する。
 また、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担を現在の1割から2割に引き上げる範囲について、住民税が非課税となる水準の年収155万円未満は1割を維持する方向性を示した。全体の6割弱に当たる。いずれも政府の全世代型社会保障検討会議や与党の議論を経て、年内に結論をまとめる。
 紹介状なしの定額負担に関し、現在は病床200床以上の「特定機能病院」や「地域医療支援病院」の計666病院で、5000円を徴収している。大病院と地域の診療所の役割分担を進めるため、これ以外の200床以上の一般病院のうち、高額な医療機器を使う機関などにも対象を広げる。定額負担分は診療報酬から差し引かれるため、病院の収入はほぼ変わらず、保険財政の負担も軽減される。
 75歳以上の窓口負担引き上げをめぐり、厚労省は対象範囲に関する5種類の試算を提示。最も絞り込んだ場合は後期高齢者全体の所得上位20%に当たる年収240万円以上、最も広いケースは上位44%の年収155万円以上となる。対象者数は約200万~約605万人。
 2割に引き上げた場合、自己負担額は1人当たりの平均で3万4000円増加する見込みで、厚労省は、外来受診の窓口での支払額を抑制する経過措置を2年間設ける案も示した。これにより、負担増は平均3万1000円に緩和される。 (C)時事通信社