新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、飲食店支援策「Go To イート」の人数制限が検討されている。ただ、制限しようにも実効性のある取り組みは限られ、結局は店側と利用客の意識に委ねる形になりそうだ。専門家は「増加を想定した備えは十分だったのか」と首をかしげる。
 政府は「原則5人以上の単位で飲食する際、食事券やポイントの対象外とすること」を想定。しかし、事業費の半分を占めるインターネットのグルメサイトを通じたポイント還元事業は、予算枠消化で11月中旬までに新規の予約受付をほぼ終了している。大手サイトの広報担当者は「客のクレームや店側の手間を考えると、既に入った予約について変更を求めるのは難しい」と話す。
 所管する農林水産省は予約済みの会食の対応策として、参加者が制限を超える場合、複数の個室やテーブルに分けたり、席間に仕切り板を設置したりして同席を4人以下にすることを挙げる。ただ強制は難しく、客の理解や店側の努力に頼るしかない。
 もう一つのプレミアム付き食事券事業は、会計時に利用を申し出る形で、予約は必要ない場合がほとんど。人数制限を課し、会計時に店側が利用を拒否するのは容易でなく、こちらも店や客次第となる。
 還元事業でためたポイントの利用で今後予約する場合に、人数を条件とすることは可能だ。ただサイト側によると、これも事業と関係のない通常の予約とどう区別するのかなど、技術的な課題が残るという。ポイントの有効期限は獲得から2カ月程度で、制限が強まると消費し切れない利用者とのトラブルも懸念される。
 東京医療保健大大学院の菅原えりさ教授(感染制御学)は「何人なら安全という線引きはない。経済と対策の妥協点が4人なのだろう」と指摘。「事業によるリスク増は想定内のはず。拡大後に対策を検討とは、備えは十分だったのか。一時中止も含め、勇気を持った早め早めの決断が必要だ」と話している。 (C)時事通信社