新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続く中、21日から始まる3連休。旅行を楽しむ人も多いとみられるが、この連休が感染拡大を食い止める正念場との見方は根強い。感染症の専門家は、国民に広がる「気の緩み」による移動増を警戒し、爆発的な感染拡大に危機感を示している。
 厚生労働省の専門家組織は19日の会合で、全国の新規感染者数が18日までの1週間で1万1296人に上り、2週間前の約2.3倍になったと公表。観光業が盛んな北海道は約3.0倍に上昇しており、「行動制限などの強い対策」が必要だと言及した。政府の観光支援事業「Go To トラベル」の是非には触れなかったものの、拡大要因の一つとして「人の移動の増加」を挙げた。
 「何も対策を取らなければ、爆発的感染が起きる懸念がある」。同組織メンバーの一人は会合後、深刻な表情で語った。国民の間に広がる「コロナ慣れ」とも言える気の緩みを指摘し、「人の動きが感染拡大の要因になるのは間違いない。それなのに、厳しい状況が国民の一部に全然伝わっていない」とつぶやいた。
 京都大の水本憲治特定助教(感染症疫学)も「大前提として、人が動いて接触が増えれば感染が広がることを理解してほしい」と話す。「感染が拡大する地域に住み、特に自分・家族に症状がある人が、北海道などのように医療が逼迫(ひっぱく)気味の地域に行くことは避けるべきだ」と強調。「感染者がほとんどいない地域に行けば、それが流行の引き金になり得るので、控えるのが望ましい」と訴える。
 専門家組織の別のメンバーは「感染拡大は危機的な状況に近づいている」と分析し、「『Go To』うんぬんではなく、そもそも都道府県をまたぐような長距離移動を控える、制限する必要がある。政府は早めに取り組んでほしい」と求めた。 (C)時事通信社