【ワシントン時事】感謝祭休暇を控えた米国で、新型コロナウイルス感染拡大が加速している。米製薬大手ファイザーは20日、共同開発中のワクチンの緊急使用許可を米当局に申請。ワクチンが広く普及するまでに感染拡大をどれだけ抑制できるかが、パンデミック(世界的流行)収束の鍵を握りそうだ。
 アザー厚生長官は同日、薬価引き下げに関する記者発表で、ファイザー開発のワクチンについて「数週間以内に食品医薬品局(FDA)が(使用許可の)決定を下す可能性があり、決定後24時間以内に配布を開始する」と説明した。米政府は医療関係者や高齢者、持病のある人への接種を優先させる方針で、国民に広く行き渡るのは来春と見込んでいる。
 一方、米国では感染拡大のペースが加速し、ワシントン・ポスト紙の集計によると、20日には過去最多となる約20万人の新規感染者が報告された。1日当たりの死者数も、ここ数日間は5月以降で最多の2000人前後で推移している。共和党のスコット上院議員や、トランプ氏の長男ドナルド・ジュニア氏の陽性が明らかになるなど、政界やその周辺での感染も相次いでいる。
 政府の新型コロナ対策本部のバークス調整官は、CNNテレビのインタビューで「(感染)ペースが劇的に上昇している。より速く、より広範囲に広がっており、(収束まで)さらに長期化する恐れがある」と指摘。全50州のうち半分以上が「危険地帯」だとして、26日からの感謝祭休暇では屋内の集まりを「家族だけにとどめるべきだ」と呼び掛けた。
 ロイター通信によると、感染者が急増する中西部ウィスコンシン州のエバーズ知事は20日、緊急知事令を出し、自宅以外の屋内でマスク着用を義務付けると発表。西部カリフォルニア州は21日から1カ月間、大半の地域を対象に夜間外出禁止令を出すなど、緊急対策に乗り出す州・自治体が相次いでいる。 (C)時事通信社